サステナビリティ

バイオテクノロジー体験講座

2019年度 第16回 公開講座応援団

宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター 公開講座レポート

栃木県、宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターのゲノミクス研究棟において、令和元年8月7~8日に、高校生および高校教員を対象とした体験講座「バイオテクノロジー体験講座」が開催されました。高校生自ら、もしくは高校教員を通して科学に対する興味・関心を醸成することを目的としており、40名の参加がありました。その様子をレポートにまとめました。

講座内容

実験1

普段食べているブロッコリーやタマネギなどの野菜からDNAを取り出す実験

ブロッコリーからのDNA抽出

ブロッコリーからのDNA抽出

実験2

紫外線を当てると赤色や緑色に光る蛍光タンパク質をつくる遺伝子(DNA)を大腸菌に導入して、光る大腸菌を作り出す実験

実験についての説明を受ける様子

実験についての説明を受ける様子

実験3

実際に品種鑑定の現場で利用されているコメ品種DNA鑑定キットを使って、参加者のみなさんが自宅から持参したコメがコシヒカリか否かを調査する実験

持参したコメからDNAを抽出する様子

実験についてTA(大学院生)から説明を受ける参加者(高校生)

実験についてTA(大学院生)から説明を受ける参加者(高校生)

施設見学・特別講義

[施設見学]

バイオサイエンス教育研究センターのゲノミクス研究棟内に設置されている先端解析機器や特殊環境で生育されている遺伝子組換え生物を見学し、最先端バイオテクノロジーの雰囲気を体感してもらいました。

[特別講義]

山根センター長による特別講義では、身近なものになっているバイオテクノロジーの現状を知ってもらいました。参加者のみなさんからは、多く質問も出て、双方向型の講義となりました。

使用商品

公開講座でご使用いただいた商品をご紹介します。

Buffer for Tris-acetic acid-EDTA (TAE) (50X) 品番:423499
濃縮タイプの液状バッファーです。希釈するだけでDavisおよびLaemmli法に準拠した泳動用バッファーが得られ、すぐに使用できます。

ART 10 REACH
ARTフィルターチップ、滅菌済みです。

…など

参加者の声

  • 今回の講座で、自分の知識が増え将来の選択肢が広がったなと感じました。
  • 光る大腸菌作成は今までやったことがなかったので勉強になりました。また、コメのDNA抽出はコシヒカリではなく彩のかがやきを持ってきたこともあり、他の人と違う結果を見ることができ面白かったです。
  • 蛍光タンパク質やDNA解析・遺伝子組換えの技術を使って、私が育てている多肉植物に利用する研究をしてみたいと思いました。
  • ミジンコのすごさに感銘を受けました。
  • 実験では多くの器具・試薬を使い、自分の目で見て感じる事で必ずしも難しいものではないと分かりました。
  • コメのDNA鑑定や光る大腸菌を作る過程は大変でしたが、完成したときは嬉しかったです。
  • 学校ではなかなかできない実験ができてとても良かったです。これからの学校での授業が楽しみになりました。
  • TAの人たちも分かりやすく教えて下さり、数少ない貴重な体験になりました。色々な機械にも触れることができたのでとても楽しかったです。
  • DNAなど、机上だけではわかりにくいと思っていたことも実験などを通して楽しく分かりやすく理解できたので参加して良かったと思いました。

主催者報告

本センターでは、上記内容のバイオテクノロジー体験講座を毎年開催しています。申込数は年々増加しており、今年は200名以上となっています。できるだけ多くの高校生・高校教員にバイオテクノロジー実験を体験してもらうために、申込みがあった全ての方を受け入れており、2日間のプログラムを合計5回実施しました。
参加された高校生は、講座を終える頃には、TAの大学院生や大学教員に積極的に質問するようになっていました。本講座への参加によって、ライフサイエンスやバイオテクノロジーの面白さや楽しさを体感できたと思います。

私たちコスモ・バイオは、「ライフサイエンスの進歩・発展に貢献する」ことを第一の経営理念に掲げ、皆様に信頼される企業づくりを目指しています。この理念に基づき、今回のような、大学等が実施する公開講座の支援を通して、次の世代を担う“明日の科学者”にライフサイエンスの面白さと楽しさを伝えるお手伝いをします。