IR情報
社長メッセージ
当期の連結業績と次期の見通しについて
ライフサイエンスの基礎研究分野市場では、大学・公的研究機関において堅調な予算執行がなされているものの、市場環境や同業他社との価格競争は依然として厳しい状況が続いております。また、為替環境が大幅な円安傾向を示し、当期(2022年12月期)の平均為替レートは1ドル128円(前期は108円)で推移しました。
こうした厳しい経営環境の中、当期の連結業績は、売上高が前期比3.5%増、営業利益が同22.2%減と、増収および営業減益となりました。
増収の要因は、主に海外売上高の増加によるものです。具体的には、米国市場においてベンチャー企業向けの大口受注の獲得が着実に進み、これに対応した日本から米国に向けた輸出事業が伸長しました。
一方、営業減益となった要因は、ほぼ円安によるものです。この円安は、想定されなかったほど過去にも稀な幅で進行したため、収益への影響を回避することはとても難しかったと申せます。加えて、当期は、長い自粛期間を経て、利益率の高い創薬・受託サービス事業の伸びが厳しい状況もありました。こうした悪条件が重なったにもかかわらず、売上高営業利益率は8.5%と、比較的高い水準を維持することができました。これは、商社機能と製造機能の両面での強化策、国内市場と海外市場の両面での拡大策などによって事業の多様化が進み、変化に強い収益構造が備わってきているためであると考えております。備わってきた強みを更に強化していく方向で、今後につなげてまいります。
次期(2023年12月期)の連結業績については、増収の一方で減益を予想しております。減益要因は、想定為替レートを1ドル140円とし仕入原価の増加を見込んでいることに加え、人員増等による人件費増加、販売活動・研究開発活動の積極化などから販管費の増加を見込んでいること、等によります。
前3ヶ年計画の評価について
前3ヶ年計画(2020年~2022年)は、ほぼコロナ禍の中での3ヶ年となり、さまざまな活動が制限される中での経営を強いられました。特に新規事業探索の取り組みは、対面での交渉や積極的に外に出ていくことは困難な状況でした。そのような厳しい経営環境に置かれながらも、業績面ではこの3年間、着実に成果を積み上げてくることができました。これは、グループ全従業員の努力と協働の成果であると考えております。従業員の働き方改革と生産性の向上を目指して、コロナ禍以前から準備を進めていたモバイルPCの導入やVPN接続による社外での業務環境整備が奏功し、コロナ禍にみまわれた直後から速やかにテレワーク主体の業務推進体制に移行することができ、さらには従来水準以上の業務品質の維持・向上を果たすことができました。
また、通信環境を介した“デジタル・コミュニケーション”主体の業務も効率的に進みましたが、同時に直接顔を合わせて話をする“フィジカル・コミュニケーション”の大切さも身をもって再認識することができた点は、今後に向けて非常に大きな収穫だったと思います。
新3ヶ年計画の重要ポイントについて
新3ヶ年計画(2023年~2025年)から、グループ全体で推し進める計画として明確に位置づけております。国内連結子会社「ビーエム機器株式会社」とは当社と同フロアに本社機能を設け、協働営業推進体制も整えるなど、シナジー最大化に向けた体制整備が進んでおります。海外連結子会社「COSMO BIO USA, INC.」との間でも一体的経営を目指して、コロナ禍でしばらく渡米を控えていましたが、昨年コロナ流行が少し落ち着いたところで同社に赴き、本計画の意図や内容の共有を行いました。
本計画の内容としては、まず、「生命科学の進歩に資する」という「グループの目的」を冒頭に掲げました。この目的は、社会やライフサイエンス業界、そして個々の研究者に対して、私たちグループ全役職員が常に中心に据えるべき基本姿勢を示しています。そして、この目的に向かって、当社グループにしかできない独自の価値の創造と提供を行っていくことで、生命科学の進歩発展と当社グループの成長を同時に果たしていきたいと考えております。
「理念」、「方針」、「長期戦略」についても、グループ全体で追求していくべきものとして再定義しております。このうち、「グループ長期戦略」については、前計画では活動自粛期間が続いたことから、本計画で再スタートさせ、成果獲得を目指してまいります。特に、「輸出事業を含む海外展開拡大」については、今後の事業拡大には必要不可欠な取り組みであり、強化してきた商社機能と製造機能をフル活用することで輸出拡大を果たしてまいります。
皆様には、当社グループの成長戦略にご理解とご期待、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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※2023年3月24日更新