サステナビリティ
遺伝子と仲良くなろう
2017年度 第14回 公開講座応援団
熊本大学 生命資源研究・支援センター 公開講座レポート
2018年3月3日~4日の2日間、熊本大学 生命資源研究・支援センターにて、中学生、高校生、大学生および社会人を対象とした公開講座「遺伝子と仲良くなろう」が開催されました。2007年より始まった本講座は毎年好評を受けており、今年も21名の受講生が集まりました。この2日間どんなことを学んだのでしょうか?その様子をご紹介します。
講座内容
プログラム 1日目
講義「遺伝子と仲良くなろう!」
DNA に関する基礎的な知識について学んだ後、遺伝子の情報からタンパク質が作られる仕組みを、練習問題を解きながら学びました。

講義「遺伝子組換え生物ってな~に?」
B型肝炎ウイルスに対するワクチン開発の話を例に、遺伝子組換え技術を判り易く説明していただき、学びました。併せて遺伝子組換え生物に関する法律についても学びました。

実習「遺伝子組換えで光る大腸菌を作ろう!」
光る大腸菌を作る過程を通して遺伝子組換え技術を体験し、その意義について考えました。また、一晩培養した後の出来栄えを想像しながら、光る大腸菌の培養液を使って寒天培地に絵を描きました。 最後に、P2レベルの遺伝子組換え実験室や、シーケンサー、超解像顕微鏡、ジーンチップシステムなど、遺伝子実験施設の設備機器を見学しました。

プログラム 2日目
実習「光る大腸菌を観察しよう!」
一晩培養した大腸菌のプレートを観察しました。大腸菌が増えているのか、増えるとどうなるのか、ブラックライトを当てるとどう見えるか、様々な条件について検討しました。

実習「DNAを見てみよう!」
「エタノール沈殿」という実験で、DNA を肉眼で観察しました。またマイクロピペットという道具を使い、マイクロリットル(µL)単位の世界を体験しました。そして、DNA を大きさで分けることが出来る「電気泳動」という実験を行いました。蛍光色素で可視化した DNA のバンドは、この後の講義で観察しました。

見学「研究室ってどういうところ?」
電気泳動結果を観察した後、ゲノム機能分野が行っている研究内容を紹介してもらいました。薬学部学生の週間スケジュールや1日の過ごし方なども紹介してもらいました。
講義「生命科学の未来について考える」
iPS 細胞(人工多能性幹細胞)やクローン羊の話などを含めて、生命科学が私たちにもたらす未来について皆で一緒に考えました。
使用商品
公開講座でご使用いただいた一部商品をご紹介します。
参加者の感想
- とても楽しかったです。今回の講座のように、具体的な体験ができる機会をもっと増やして欲しいです。
- 実験が面白かったです。医学の道を目指しているのでがんばろうと思いました。
- DNA やゲノムの利用法によっては、病気の治療にも活かせることは意外でした。それぞれが倫理に基づいた正しい判断で利用していくことの大切さを実感しました。
- ふだんの生活や学校で体験ができないようなことをできるこのような講座に対してはかなり興味を持ちました。
- 自分の DNA も見てみたい。
- 分かりやすく、体験もたくさんできてとても楽しかったです。こんなに集中して聞いた講義は初めてでした。遺伝子操作など、知りたいことが尽きません。
- 高校ではできない実験がたくさんできたのが楽しかったです。
- 将来生物の研究をしたいと考えているので、すごく役に立ちました。
終わりに
とても充実した2日間であり、DNA や遺伝子への理解と興味がより深まったという感想を多くいただきました。また、参加者の感想にて、実際に本講座を受講し、研究職に興味を持たれた方がいると知り、大変嬉しく感じております。
これからも、コスモ・バイオでは、「未来の科学者」育成のためのお手伝いができれば光栄です。