サステナビリティ

高校生のための実験・体験コース
「ノーベル賞に輝いた緑色蛍光タンパク質(GFP)で細胞を光らせよう」

2009年度 第6回 公開講座応援団

愛知県がんセンター研究所 公開講座レポート

実験を通じて科学の楽しさや面白さを感じてもらうとともに、がんの基礎研究の一端に触れることで、がん研究の重要性を理解してもらうことを目的としています。本年度は、ノーベル賞に輝いたGFPを細胞に発現させ、蛍光顕微鏡で観察し、最先端の医学生命科学研究をより身近に感じ、がん研究への理解を深めます。

実験の内容

ノーベル賞に輝いた緑色蛍光タンパク質 (GFP) で細胞を光らせよう!

GFP のcDNAは、真核細胞内で発現した時に蛍光産物を生成し、外因性の基質やコファクターを必要とせず、遺伝子発現や in vivo でのタンパク質のモニタリングに欠かせない有用なツールです。本公開講座では培養細胞にGFPのmRNAをトランスフェクトし、蛍光顕微鏡にてタンパク質の発現を観察します。今回はGFPの他に、赤色蛍光タンパク質 (RFP) も使って細胞を光らせました。また先生による「GFPマウス」のデモンストレーションも行われ、とても貴重な体験となりました。

実験の合間にがん研究へのGFPの応用について説明を受けたり、最先端のライフサイエンスがとても身近に感じられました。

初めて触るピペット操作は、手が震えないように注意しました。

教科書ではなく実際に顕微鏡を通してみる細胞にちょっと感動。

研究の現場を見てみよう!

お昼休みや、実験の待ち時間には、研究所の研究室の見学も。研究の現場の空気にみんな興味しんしん。研究者の生の声を聞くことができて、みんな満足感とともに、さらに研究への興味ももったようでした。

参加者の声

今回の公開講座を通じて,参加された方々はどのような感想を持たれたのでしょうか?寄せられたアンケートの一部をご紹介いたします。

  • 光っているのを目で見て確かめることができた時は、達成感がありました。ネズミの解剖も間近に見ることができて、貴重な体験でした。ありがとうございました。
  • ノーベル賞の理由となった GFP を実際に観察することができ、とても興味深い体験ができたと思います。
  • GFPマウスの解剖実験もあらゆる部位の細胞が光って、どうやって骨髄が分化していくのか興味を持ちました。
  • 「研究者」ってどういう仕事をしているのか全然イメージがわかなかったけど、前よりは身近に感じることができました。

このように、今回参加した皆さんにとって、とても良い体験になったようです。毎年参加されている常連さんはもちろんのこと、今回初めて参加した皆さんからも「来年もまた来たい!」との声も多く、本公開講座の目的でもある“科学の素晴らしさと同時に医学研究に関する興味と大切さを感じてもらうこと”は充分に達成できたのではないでしょうか?このような最先端のライフサイエンスの世界に触れたことをきっかけに、ひとりでも多くの科学者が育っていくことを期待しています。

主催者報告

参加した高校生からは非常に好評な感想をもらい、緑色蛍光タンパク質 (GFP) の成果がどうしてノーベル賞に輝いたか、直に感じてもらうことができたと思います。また、実験を通じて研究者の仕事を身近に感じることができたという、私達としては大変うれしい感想も聞くことができました。

私たちコスモ・バイオは、「ライフサイエンスの進歩・発展に貢献する」ことを第一の経営理念に掲げ、皆様に信頼される企業づくりを目指しています。この理念に基づき、今回のような、大学等が実施する公開講座の支援を通して、次の世代を担う“明日の科学者”にライフサイエンスの面白さと楽しさを伝えるお手伝いをします。