サステナビリティ
バイオテクノロジー体験講座
2016年度 第13回 公開講座応援団
宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター 公開講座レポート
平成28年7月28~29日および8月2~3日の2回、栃木県宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターにおいて、高校生および高校教員を対象とした体験講座「バイオテクノロジー体験講座」が開催されました。高校生自ら、もしくは高校教員を通して科学に対する興味・関心を醸成することを目的としており、2回合計で75名の参加がありました。その様子をレポートにまとめました。
講座内容
実験1
普段食べているブロッコリーやタマネギなどの野菜からDNAを取り出す実験

実験についてTA(大学院生)から説明を受ける参加者(高校生)

ブロッコリーからのDNA抽出
実験2
紫外線を当てると赤色や緑色に光る蛍光タンパク質をつくる遺伝子(DNA)を大腸菌に導入して、光る大腸菌を作り出す実験

大腸菌を寒天培地に塗布する様子

作成した光る大腸菌
実験3
実際に品種鑑定の現場で利用されているコメ品種DNA鑑定キットを使って、各自が自宅から持参したコメがコシヒカリか否かを調査する実験

持参したコメからDNAを抽出する様子

抽出したDNAを解析する様子
施設見学・特別講義
[施設見学]
バイオサイエンス教育研究センターのゲノミクス研究棟内に設置されている先端解析機器や特殊環境で生育されている遺伝子組換え生物を見学し、最先端バイオテクノロジーの雰囲気を体感してもらいました。

施設見学の様子

[特別講義]
特別講義では、身近なものになっているバイオテクノロジーの現状を知ってもらいました。参加者から、多くの質問も出て、双方向型の講義となりました。

講義風景
使用商品
公開講座でご使用いただいた商品をご紹介します。
参加者の感想
- 科学の知らなかった所がたくさん知れて、自分にとって良い機会になった。
- 今まで見たことのない実験器具を使って実験ができて楽しかった。
- 同じような実験をしたことはあったが、その時はあまり分からなかった事が今回のバイテク講座で理解できた。
- 教科書では学べない実験や大学生の生の声を聞けたので、自分の中の生物というものの見方に変化があったように思う。
- 高校ではできない高度な実験をする事ができてとても生物について学びたい、宇都宮大学で研究をしたいと思いました。
- 今回の講座でDNAの凄さが分かった。たくさんの事に興味を持った。
- 不安もあったが、自分の知らなかった様々なバイオサイエンスに関する知識を知る事ができた。
- より専門的なことを体験できて、実験して何かを解明する事の楽しさを知りました。また、バイオと言っても植物や動物等の幅広い分野にわかれており、分野間のつながりも大切なんだと感じました。
- 学校で習ったPCR法や電気泳動・DNA抽出など、原理は分かってもイメージが湧かず理解が不十分でしたが、今回の講座で初めてきちんと理解できた。
- グループ分けにより他校生とも交流ができてよかった。
主催者報告
本センターでは、上記内容のバイオテクノロジー体験講座を毎年開催しています。申込数は、年々増加しており、最近では150 名程度となっています。できるだけ多くの高校生・高校教員にバイオテクノロジー実験を体験してもらうために、参加者の選別は行わずに申込みがあった全ての方を受け入れており、2日間のプログラムを合計4回実施する状況です。
参加した高校生は、講座を終える頃には、TAの大学院生や大学教員に積極的に質問するようになっていました。本講座への参加によって、ライフサイエンスやバイオテクノロジーの面白さや楽しさを体感できたと思います。また、遺伝子組換え技術・食品などに対する、参加学生たちの「生の声」を聴けたことで、私自身も大変勉強になりました。
宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター
准教授 鈴木 智大 先生