サステナビリティ
動物の生殖器官と内分泌 ~触って見よう・調べてみよう~
2016年度 第13回 公開講座応援団
岡山大学 公開講座レポート
平成28年8月20・21日の2日間、岡山大学農学部において、岡山県下および近隣の中高生を対象とした岡山大学公開講座「動物の生殖器官と内分泌 ~触って見よう・調べてみよう~」が開催されました。農学と生殖に関する知識を深めてもらうこと、科学の面白さに触れてもらうことを目的としており、11名の中高生が2日間の講座に参加しました。その様子をレポートにまとめました。
講座内容
1日目
哺乳動物の生殖器官
動物の生殖器官の役割や形態について講義を受けた後,ウシの子宮・卵管・卵巣のマクロでの構造を観察しました。また、ホルモンの濃度測定法の一つである「Enzyme immunoassay(酵素免疫測定法)」について説明し、実際に分析器具を用いてウシ血液中のホルモン濃度測定(1日目)を行いました。

教授による講義の様子
2日目
生殖器官の組織構造とホルモン濃度測定
哺乳動物の生殖器について詳細な構造を理解するため,木村教授による講義の後,子宮・卵管・卵巣の組織切片を顕微鏡下で観察しました。また、生体機能に重要なホルモンについてその役割を説明した後,1日目からの続きでウシ血中のホルモン濃度測定を行いました。得られた結果を解析して,ウシの妊娠診断を行いました。
実験1. 哺乳動物の生殖器官のマクロ観察
ウシの卵巣・卵管・子宮をそれぞれ肉眼的に観察・スケッチしました。卵巣にできる一過性の器官である「卵胞」と「黄体」の観察や、解剖はさみを用いた子宮の切開とその内部の観察、また受精が起こる卵管の長さの測定などを行いました。みなさん積極的に触ったり切ったりしながら、構造を調べていました。

大学生から子宮の構造と役割について説明を受けました
実験2. 卵巣・卵管・子宮のミクロ観察
ウシまたはブタの卵巣・卵管・子宮の切片を,光学顕微鏡を用いて観察しました。顕微鏡の使い方を学んだ後、卵巣の中にある卵子や,卵子が通る卵管のヒダ上の繊毛細胞、また子宮壁の細胞の層などを詳しく観察しました。

生殖器構造の顕微鏡下での観察
実験3. 酵素免疫測定法を用いたウシ血中プロジェステロン濃度の測定
妊娠中に血中濃度が上昇するホルモン「プロジェステロン」の測定を行いました。1日目は測定法の原理を勉強した後、ピペットマンを使ってマイクロプレートにサンプルと試薬を入れ、1日間冷蔵庫で反応させました。2日目は、反応の様子を可視化するための発色試薬をマイクロプレートに入れ、色の変化からプロジェステロンの濃度を解析しました。その結果から、5つある血液サンプルのうち妊娠しているウシのサンプルを選びました。難しい原理だったと思いますが、鋭い良い質問をしてくれた受講生もいました。

初めて見るマイクロプレートの洗浄機

ウシの妊娠診断は、皆さん全問正解しました!
参加者アンケート
