サステナビリティ

自分のDNA(遺伝情報)を取り出してみよう

2016年度 第13回 公開講座応援団

帯広畜産大学 公開講座レポート

小学生親子を対象とした公開講座「自分のDNA(遺伝情報)を取り出してみよう」が下記の日程で開催されました。本講座は、「遺伝子・DNAとは何か」を学んでもらうことを目的としており、私達ヒトのDNAを抽出して実際に目で観察する実験を行いました。さて、参加した皆さんは、どのように生命科学への理解を深めていったのでしょうか?その様子を覗いてみましょう!!

  • 帯広市児童会館 2016年8月7日(日) 10:00~15:00

実験内容

実験 -自分の DNA を抽出して見てみよう-

1個の細胞に含まれる DNA をつなぎ合わせると、約 2m の長さになります(!)。
今回のヒトの DNA を取り出す実験では、自分の口の中の細胞から抽出したふわふわしたものが次第に白い紐状の塊になる現象をじっくり観察します。少しの細胞から取り出した DNA がみるみる目で見える様に、みんな驚いていました。

  1. 口の細胞を、1分くらい口内をすすぐことで取り出します。この時、白く濁っていることが成功の決め手になります。白く濁っているのは、細胞がたくさん入っていることを示しているからです。
  2. チューブに移した細胞液に、界面活性剤の入ったバッファーを加え、やさしく混ぜます。
  3. プロテイナーゼKを加えてやさしく混ぜた後、50℃、10分間反応させます。
  4. 反応終了後、冷エタノール 10mL を加えて、境界面をよく観察します。
  5. モワモワと DNA が不溶化してくる様子を観察します。上面まで浮いてきたら、混ぜて DNA の緩い塊を作り、別のチューブに取り出してエタノールを加えたら終了です。

DNAクイズ

実験の反応時間に、DNAクイズを行いました。

  • Q1. 細胞1個当たりの DNA の長さは?

  • Q2. ヒトの細胞の数は60兆個。では、細胞中の全DNAをつなげると何km?

  • Q3. DNAはどんな形?

  • Q4. DNAは何でできている?

  • Q5. 糸状になる決め手は何でしょう?

Q1「細胞1個当たりの DNA の長さは?」の答えは、約 2m です。
それでは、Q2「ヒトの細胞の数は60兆個。では、細胞中の全 DNA をつなげると何km?」の答えはどうなるでしょうか?

億や兆の数は、小学校4年生くらいで学習しているようで、5年生の子供たちは紙面に書いた60兆の丸の数を一生懸命に数えてくれました。1個の細胞には 2m の DNA があるので、60兆×2m = 120兆m です。子供たちは単位換算も知っていて、3つの○を除いて再度数え、1200億km の答えを導きだしました。

さて、この距離はどのくらいなのでしょうか?
例えば、地球と太陽の距離は知っていますか? 太陽と地球の距離は、1.5億km あるんです。
「じゃあ、私のからだの全ての DNA の長さは、太陽と地球の距離よりも、ずっと長いんだ。」と、みんな親子で驚いていました。

今回の実験で使った材料は、皆さんの口の中の細胞でした。細胞1個には約 2m の DNA の長さがあるので、いくつかの細胞があれば、目で見える DNA が取れますよね!

私たちコスモ・バイオは、「ライフサイエンスの進歩・発展に貢献する」ことを第一の経営理念に掲げ、皆様に信頼される企業づくりを目指しています。この理念に基づき、今回のような、大学等が実施する公開講座の支援を通して、次の世代を担う“明日の科学者”にライフサイエンスの面白さと楽しさを伝えるお手伝いをします。