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大阪公立大学との共同研究成果の論文発表と製品化のお知らせ
このたび当社は、大阪公立大学大学院 医学研究科(以下「大阪公立大学」)との共同研究成果として新型コロナウイルスの新たな感染防御物質を見出し、2022年7月6日(日本時間)に科学誌「The Journal of Biochemistry」に発表いたしました。
また、この知見を製品化し、新型コロナウイルスの感染防御物質のスクリーニングに有用な「SARS-CoV-2 Spike S1/ACE2 Binding,Inhibitor Screening Kit(S1-ACE2結合阻害スクリーニングキット)」を発売いたしました。
共同研究の内容及び研究成果について
新型コロナウイルスへの感染防御に唾液が濃度依存的に影響していることを見出し、この感染を阻害する唾液中の成分の特定と、その成分と同等の効果を有する物質の探索に取り組みました。その成果として、唾液中の成分であるカチオン性注1)の好中球関連タンパク質が、S1とACE2との結合注2)を阻害して感染を防御すること、更に、このタンパク質に類似した天然物質であるε-ポリ-L-リジンにもS1とACE2の結合を強力に阻害する活性があることを見出し、本成果を論文発表しました。
掲載誌情報
雑誌名: | The Journal of Biochemistry |
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論文名: | Cloaking the ACE2 receptor with salivary cationic proteins inhibits SARS-CoV-2 entry |
著者: | Katsutoshi Yoshizato et al. |
掲載URL: | The Journal of Biochemistry | Oxford Academic (oup.com) |
詳細情報
共同研究成果についての詳しい情報は大阪公立大学のプレスリリースを、製品情報については当社ホームページをご覧ください。
大阪公立大学プレスリリースページ
https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-01284.html
製品紹介ページ
SARS-CoV-2 Spike S1/ACE2 Binding, Inhibitor Screening Kit
用語解説
注1)カチオン性
電気的にプラスに荷電している性質
注2)S1とACE2の結合
SARS-CoV-2の感染は、ウイルスのスパイクタンパク質のS1部分とヒト細胞のACE2が結合することにより生じる。
COVID-19(SARS-CoV-2)の細胞への感染経路
SARS-CoV-2の細胞への感染は、ウイルス膜から突出したスパイクタンパク質がヒト細胞の細胞膜に存在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体に結合することから始まる。スパイクタンパク質はS1とS2という2つの部位からなり、S1はACE2受容体の結合、S2はウイルス膜と細胞膜の融合にはたらく。このたび発売するキットでは、スパイクタンパク質のS1とACE2受容体の結合能を測定することで、阻害剤の探索を行うことができる。