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IR情報

社長メッセージ

株主・投資家の皆様には、平素より格別のご支援を賜り厚く御礼申しあげます。

私たち、コスモ・バイオは、
経営理念「生命科学の進歩に資する」のもと、
研究に携わるすべての皆様との信頼関係を礎に、
「事業基礎の強化」と「新たな事業基盤の創出」に
挑戦してまいります。

代表取締役社長柴山 法彦

ライフサイエンスの力で次代の価値を共創する企業 集団を目指してまいります。

連結業績について

最終年度である当期(2025年12月期)において増収増益を果たし、一定の評価をしております。

「中期経営計画2025」(2023-2025年)の3ヶ年の経営環境を振り返ると、ライフサイエンスの基礎研究分野市場では、2023年12月期は原燃料価格の高騰などを背景に研究用試薬への予算配分が相対的に減少する状況が生じたものの、それ以降は総じて、大学・公的研究機関における予算が堅調に執行されました。また、同業他社との価格競争については、引き続き厳しい状況で推移しました。加えて、平均為替レートは円安傾向が続き、収益を圧迫する大きな要因の一つとなりました。

こうした環境下、「中期経営計画2025」は厳しい船出となりましたが、連結業績は、最終年度である当期(2025年12月期)において増収および営業増益を果たし、一定の評価に値する成果を上げることができたと考えております。

売上高は、2024年12月期に、創業来初となる100億円超を果たし、2025年12月期も過去最高を更新することができました。また、営業利益は、厳しい事業環境を反映して減益基調が続いておりましたが、2025年12月期においては、新規事業開拓をはじめとした今後の成長に向けた各種先行投資を積極的に行いながらも、前期比7.7%の増益を果たすことができました。この2025年12月期の増収および営業増益の主な要因は、仕入れコスト上昇の販売価格への転嫁、利益率の高い創薬・受託サービス事業の着実な復調、輸出事業(海外向け試薬販売)の順調な拡大などが挙げられます。なお、輸出事業については、米国関税政策の影響から、想定していた利益を大幅に下回る結果となりましたが、中長期的には新たな収益の柱へと育っていくものと期待しております。

以上のように、今後に繋がる多くの成果が上がってきてはおりますが、営業利益は未だ低水準の状況からは脱しておらず、引き続き、利益の回復・再成長を中長期的な重要課題と認識し、収益基盤の再構築に取り組んでいく所存です。

中期経営計画2025」における具体的な取り組みについて

4つの施策それぞれで、今後に繋がる非常に意義深い成果を上げることができました。

「中期経営計画2025」では、「新たな事業基盤の創出」、「商社機能の強化」、「製造機能の強化」、「企業価値の向上」の4つの施策に取り組んできました。

まず、「新たな事業基盤の創出」を第一の施策として掲げて、この3ヶ年、事業構造の“変革”を図っていくための新たな基盤づくりに、人的資本や財務資本などの優先的な投資を行ってまいりました。その結果、新規事業の本格化への道筋が見えてまいりました。たとえば、受託サービスマッチングプラットフォーム「Scientist³」(サイエンティストキューブ)の立上げです。これは、商品のマッチングからサービスのマッチングへとビジネスを拡充していく挑戦的な取り組みであり、お客様に対するテストマーケティングなど最終調整を終えれば、本格始動を待つばかりの状況です。また、10年ほど前から取り組んできた「鶏卵バイオリアクター」(ゲノム編集技術を応用することでニワトリが産む卵の中に“ほしい”タンパク質を量産することができる画期的な技術)事業では、甘味タンパク質「ブラゼイン」の開発・製造に成功し、株主・投資家の皆様への開示第1号のタンパク質となりました(未開示のタンパク質を除く)。

「商社機能の強化」については、新たな組織として「マーケティング部」を設置し、販売を担う「営業部」、仕入先管理を担う「製品情報部」と三位一体の連携体制を構築しました。これによって、“より充実した品揃え”から“より提案力・付加価値・利益貢献度の高い品揃え”へと製商品ポートフォリオを戦略的に入れ替えていく組織的な基礎が整いました。また、株式会社医学生物学研究所の製品の米国内における販売をCOSMO BIO USA(当社連結子会社)が担えたことは、日本の優れた商品を海外にお届けする大きな目標を持つ「輸出事業」の第一歩として、非常に意義深い成果でした。

「製造機能の強化」については、製造の基本的な在り方にメスを入れることができました。製造機能を担う札幌事業所の主要な業務の一つであるペプチド製造において、株式会社ChromaJeanのAI搭載のプラットフォームを導入することでDXを実現し、一部の熟練研究員に頼っていた精製プロセスの自動化・効率化・時短化を実現しました。また、組織面では、「事業開発部」と「製造技術部」の2部制とすることで品質管理体制の強化を図るなど、今後の製造機能のさらなる拡大に備えた体制を整えることができました。

「企業価値の向上」については、2024年8月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」方針を開示し、そこで示した取り組みを全社一丸となって推し進めることで、“資本コストや株価に対する考え方”や“私たちを支えていただいているステークホルダーとの関係性”などについて、改めて見直す大きなきっかけとなりました。また、本中計の3ヶ年の取り組みを通して、“私たちの事業そのものがサステナビリティに直結している”という認識を改めて全役職員で共有することができました。これらのことは、今後の企業価値向上を目指していく上で、非常に大きな成果であったと考えております。

新たに策定したビジョンについて

研究者の支援から、研究者との価値共創へと、大きく前進してまいります。

「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」方針に基づいて、私たちは、10年という長期的な目線で未来を見据えて、どのような価値を創出し、どのような方向性で成長していくのかについて、次世代を担うリーダーたちと共に1年以上の時間を掛けて議論してきました。

その結果、辿り着いたのが、「ライフサイエンスの力で次代の価値を共創する」という新たなビジョンです。これまで私たちは、“商社”という立ち位置に軸足を置き、“研究者(特に日本の)を支援する”立場を貫いてきました。しかし、この立ち位置と立場に留まっていては、変わりゆく社会の中で多様化・複雑化する社会課題には十分に対応することができず、したがって私たちの企業価値を高めることもできません。私たちは、今後、商社とメーカーの両方の機能を持った“パートナー”という立ち位置に軸足を移し、“研究者と一体になって社会課題を解決し、新たな価値を共創する”立場へと、大きく前進していきたいと思っております。その意志の表明が、今回策定したビジョンです。

このビジョンにおいては、10年後(2035年)にありたい姿として「Global Life-Science Company」を掲げ、その実現に向けて、実行していくべき5つの重点戦略を明確化しました。そして、これらをグループ全社員でしっかりと共有し、全社員の成長が当社グループの成長に直結していくような企業風土づくりを目指して、私自らが社員に対して説明し、意見交換を行う場を幾度となく設けてまいりました。当社グループは今後、長期ビジョンの実現に向けて全社員が一体となって取り組んでいく10年間を、しっかりと歩んでまいります。

ピンチアウトで全体をご覧いただけます。

「中期経営計画2028」について

“ありたい姿”の実現に必要不可欠な重点戦略を、これからの3ヶ年で軌道に乗せてまいります。

10年後(2035年)に描いた“ありたい姿”から現在の状況を見ると、当社グループの現在の経営基盤には、解決しなければならない重要な経営課題が浮かび上がってきます。こうした課題を解決するためには、事業ポートフォリオをさまざまな角度から再構築していくことが必要不可欠であるとの認識のもと、私たちは5つの重点戦略を見出しました。具体的には、「ポートフォリオの転換」、「マーケティング機能の進化・強化」、「新規事業の本格展開」、「グローバル販売の強化」、「事業運営の最適化・強化」の5つです。

「ポートフォリオの転換」と「マーケティング機能の進化・強化」は、主に既存事業(商社機能を中心とする事業)が直面する課題を解決するための戦略です。「中期経営計画2025」において、マーケティング部を中心とした製商品ポートフォリオ入替えは、効果を発揮し始めたとはいえ未だ道半ばの状況にあり、依然として営業員個々の経験や勘に依存するところが少なくありません。引き続き、マーケティング活動で得られた情報 に基づくデータドリブンな活動を推し進め、製商品ポートフォリオの最適化を図ってまいります。

当社グループの今後の中長期的な成長のカギを握っているのが「新規事業の本格展開」です。これまでの数年間で着々と取り組んできた新規事業の多くが、事業化フェーズから収益化フェーズへと移りつつあります。これからの10年間で、新規事業の飛躍と次なる収益の柱の育成を目指します。

「グローバル販売の強化」もまた、新たな収益の柱づくりの一つとして重要な取り組みです。これまで日本国内の市場に偏重していた状況から脱却し、グローバル市場へと開いたビジネスモデルへの変革を目指します。いわば、地域ポートフォリオの入替えを推し進め、海外売上高構成比を高めてまいります。

5つ目の「事業運営の最適化・強化」については、前述の4つの重点戦略を下支えする事業運営体制づくりを目指すものであり、今後、人事、IT(DX推進を含む)、財務の各機能について、持続的な成長に向けた最適化と強化を図ってまいります。

2026年12月期を初年度とする「中期経営計画2028」(3ヶ年)では、“ありたい姿”実現に向けた第1ステップとして、「次代の価値を共創するための基盤づくりの期間」と位置づけ、これら5つの重点戦略を軌道に乗せていくことに重点を置いた取り組みに注力してまいります。すなわち、次期中計以降における成長の本格化に向けて、本中計期間においては成長投資を優先し、売上・利益の目標を少し控えめな設定としております。紙面の制約もあり、5つの重点戦略について踏み込んだご説明ができておりませんが、今後、進捗状況を適時お伝えしてまいります。

ピンチアウトで全体をご覧いただけます。

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ステークホルダーの皆様には、当社グループの新たな挑戦にご期待いただき、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。

※2026年3月25日更新